備忘録

しわ無し脳みそのために...

スターター(セル)モーターの交換

 ネット上には、マジェスティ125FIのスターター(セル)モーターの交換に関する情報が少ない。もうほとんどニーズは無いと思うが、自分もネット情報でいろいろお世話になったので、後進の皆さんに記録として残しておく。

 中古で購入時から、エンジン始動はキックではOKだが、セルではなかなか始動しない状態だった。モーターが動かなくなったという話で原因はスイッチ接触不良、リレー不良、モーターのアース不良等の電気系の問題という情報がネット上にあるが、うちの場合は毎回動く。ただし一時間程度乗ってエンジンも十分温まり、またたっぷり充電された直後であっても、始動の成功は4:6で失敗のほうが多い。

 キックの設計は補助用なのでギアなどの強度が常用には十分でなく、いつでも使うというのは避けたほうがよいという情報をなにかで読んだ。確かにペダルをきちんと戻さずに連続でキックすると、ギアが舐めそうなときが何度かあった。モーターが動かないならともかく、何とかセル起動ができるようにしてみようと思った。

 まず点火プラグをイリジウムの新品に変え、同時にワコーズの燃料系清浄剤フューエルワンを入れてみた。セルの始動性改善には効果はなかったが、信号待ちのアイドリング中に突然エンジンが止まる症状には効果があった。これは特にフューエルワンによる効果で、半年に一回程度くらいの頻度で入れるといい状態が維持できた。

 次はバッテリー電圧がいまいちだったため充電不良を考え、価格が安かったこともあり、アマゾンで買った中華製のレギュレーターに交換したが、状態は変わらず。なおこの製品は4か月持たずに故障し、前に取り外していた純正品に戻した。ヤマハの小型車はよくこのレギュレーターが壊れるらしい。予備として純正品を買っておく。

 次にバッテリーの寿命を疑い、台湾ユアサの新品に交換し、チャージャーも買ってたっぷり充電し12.6Vを確認してからトライしたが、やはりだめ。

 仕方なく最後の一手で、モーター自体の交換を試した。モーターはアマゾンで、日本の販売会社が自社名を付けて売っているらしきものを選んだ。2日程で届き、すぐに梱包を解いた状態でバッテリーを繋ぎ動作テストをしたところ、ガンガン元気に回って一安心だった。

 セルモーターの交換方法をネットで探したが、わずかしかなかったので後は試行錯誤でやってみた。ポイントは、エアクリーナーとリアインナーフェンダーをずらしてから、作業をすること。

 

 1:車体左右のバックステップとサイドカウルを取り外す。
 2:メットインスペースの箱の後ろのボルトを外し、多少動くようにすると後の作業がやりやすい。


 3:車体左にあるエアクリーナーボックスの下の隙間に、写真の3か所のネジがある。一番後ろはエアクリーナーとリアインナーフェンダーの締め付け用、中央はエアクリーナーの固定用(後ろと中央の二つのネジだけでエアクリーナーは固定されている)、前はインナーフェンダーの固定用なので、これらを全部はずす。

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 4: 車体右から、インナーフェンダーのネジを外す。これでインナーフェンダーが動くので、少し後ろにずらすと作業スペースを確保できる。

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 5: 中央にセルモーターの上半分が見えるので、手前のボルト二個(一つはアース線固定兼用)を外す。この二本だけで、モーターを固定しているが、パッキングが固着していたようで非常に固く、容易には動かない。

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 6: 車体左から、モーター上部のゴムカバーをめくってプラスケーブルを固定するネジを外す。適当な木片を当ててからモーターの肩をハンマーで叩き、車体右側にたたき出すと、モーターがスポッと外れる。固着して手では無理だった。抜けた後の穴には、写真では見えにくいがモーターとかみ合ってた大きな歯車が見える。

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 7: 新旧の比較。かなり汚れている。すんなり入るように、モーター外側のパッキングに薄くシリコングリスを塗っておいた。

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8: 中を開けてみると、かなり汚いがブラシの摩耗はそれほどでもなく、リビルドできる技術のある人なら再生できるかも。でも素人の自分には無理。このほかにもおそらくベアリングなども古くなり、始動に十分な回転トルクがでないのだろう。11年生ならしかたないか。

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 8: 固定は逆の手順でおこなう。モーターの取り外しの時には非常に固くて心配だったが、グリスを塗ったためか、手ですんなり奥まで入った。モーターの歯車がエンジン側の歯車にしっかりかみ合っていることを確認し、ねじ止めした。

 9: テストをすると動作音はあまりかわらないが、回転は力強い感じがした。冬の午前中にもかかわらず、1~2秒でエンジンが始動し大成功。

 

 モーターは回るのでそれ自体は問題なしと考えていたが、誤りだった。回ればいいってことではないことがわかった。これ以降は寒い冬の早朝でも、セル一発で簡単にエンジンが始動するようになった。よかった。