備忘録

しわ無し脳みそのために...

三鷹跨線人道橋(跨線橋)の撤去

JR中央線三鷹駅を400メートルほど西側に大きな操車場があり、そこを南北に渡るための跨線橋がある。これはかなり古く1929年(昭和4年)に旧鉄道省古レールを有効活用して作ったものだそうだ。昔の駅舎などでは古レールをよく使ったものだ。

当時三鷹に住んでいた太宰治はこの跨線橋がお気に入りで、よく散歩に来たらしく、階段の近くには太宰治が橋を渡る写真などもあった。

250メートルほど東には線路を渡る地下道があるためか、普段は使用する人は少ない。さらにもう間もなく100歳になろうとするこの橋は年間の維持費だけで3,000万円かかり、さらに耐震補強工事をすると数億~数十億かかるらしい。そこへコロナ禍で終始が悪化し、JRはこの跨線橋三鷹市に無償譲渡できないかとオファーしたそうだ。しかし三鷹市はとてもこのコストを負担できず、よってJRは撤去を決めたそうだ。

しかし電車を上から見るという普段はないアングルがもっぱら子供に大人気で、うちの子供達も小さいころにお世話になった。中央線下り線の真上あたりに陣取り、三鷹駅を出てきたまだ速度の遅い電車がねらい目だ(ブレーキ操作の邪魔になるから、三鷹駅に入線してくる上り線にやってはいけない。)。駅からゆっくり出てくる電車に向かって、小さな子供が跨線橋の上から一生懸命手を振ると、多くのケースで運転手さんがプワ~ンと警笛を鳴らしてくれたり、手を振ってくれたりする。子供達にとって電車の運転手さんはヒーローなので、大喜びだ。うちの子供二人も何度も連れて行き、いい思い出になっている。

三鷹市主催の最後の渡り収めが2023/12/15、16、17にあった。そして12月中から取り壊しが始まるそうだ。

ドラマや映画でもロケに使用されることがあるらしく、自分が知っているのは星野源WOWOWドラマ「プラージュ」のなかで事件の現場シーンで使われていたと思う。

先々週の週末に最後の写真を撮りに行きたかったが、急な仕事が入ってだめだった。そして昨日行ってみたが、予約した人だけだった。

うちの子供が小さい時には、まだJR中央線は高架になっていなかったので、子供を連れて、駅の踏切のそばまで電車見せにつれて行ったこともあった。JR中央線は2010/11に高架になって踏切は無くなってしまった。便利なことは結構だが、今回跨線橋もなくなり、自分にとっては子供との思い出がまた一つ消えてしまう。