備忘録

しわ無し脳みそのために...

アナログ(小説と映画)とT・ジョイSEIBU大泉

数週間前、南房総市の岡本桟橋(原岡桟橋)に行ったが、その際に映画アナログの存在を知った。ポスターには桟橋の写真がばっちりで、気になって調べてみた。何と原作はビートたけしで、2017年に70歳になってから書いた恋愛小説だという。本人が直木賞が欲しいと言い出して、それならばとゴーストライターでなく自分で書いたものらしい。どんなものか興味が沸いて、文庫本を買って読んでみた。悪くないが、ちょっと直木賞は...というできだと思った。

 

それならばということで映画のアナログについて調べた。ジャニーズがちょっと気になったが波留が出ていたので評価を見ると、小説とは異なりかなりいい。またエンディングが小説と異なる、との話にまんまと乗せられて、映画も見てみることにした。

 

ネタばれはやめておくが、評判の通り映画のほうがずっと良かった。岡本桟橋(原岡桟橋)の場面は思ったより短かったが雰囲気がよく、また小説にはない糸電話のエピソードがここで撮影されて印象に残った 。明るい昼間のシーンだったが、昭和チックというか、ちょっと物悲しいというか、日本ではないような雰囲気が二人のエピソードにピッタリだった。ここは夕日がきれいで有名だが、逆にあざとくなくてよかった。海はここの他には羽田空港の近くと茅ヶ崎らしき場所が登場したが、やはり岡本桟橋(原岡桟橋)が一番だった。この映画全般に言えることだが、演出が抑えめでわざとらしいことが少ないのがよかった。

波留は前はあまり好きじゃなかったのだが、ちょっと変わってきた。気品があり、さらにスマホを持たない女性というのが、ミステリアスかつ魅力的。スマホガリガリいじっている女の人を見ると、がっかりしてしまう。

ラストは小説と少しだけ異なって、...(秘密)。雲間から一筋の光が差し込むようだった。

役者の演技も吉本のような大げさだったり受け狙いがなく、抑えられた嘘くさくなくいいものだった。主人公の友人二人(桐谷健太、浜野謙太)や大阪の同僚が小説ではビートたけしらしく不必要に世俗的な設定なのだが、映画では現実的だがかつ主人公を思いやるいい仲間になっている。

浜野健太がミュージシャンということは知っていたが、あの星野源SAKEROCKで一緒に活動していたと知って驚いた。TVドラマのラジエーションハウスなどではハチャメチャな役をやっていたが、今回は抑えた演技で本当にいそうな友人という感じで桐谷健太と共によかった。

落ち着いた静かな映画のせいか、興行収入は大当たりというわけではないが、ほどほどのところまでは行っている。封切り後52日間(11/26)で、11億6000万円、83万9,000人だそうだ。

違和感があったのは、例えば焼き鳥屋のシーンなどで、カットを細かく切ってまるでつぎはぎのエピソード集のように見える編集がいつくもあったこと。これはどうも実際の撮影では長回しをおこなったこと多かったらしく、そのせいだろう。よく見るとほかのシーンでも継ぎはぎがあったが、これはもう少しなんともうまくやってほしかった。また最初にでてくる無観客の前で演奏するシーンと対比しているのだろうか、最後のバイオリン演奏シーンはないほうがよかった。さらに「アナログ」という題名は、スマホやコンピューターを使わない二人の関係ということだが、何かもう少しいい題名がないものか。またスマホがなくたって緊急事態の場合には、ピアノの人のよさそうなマスターに伝言してもらうとかやりようがあるだろう。まあ多少の突っ込みどころはあるにせよ、静かで落ち着いた佳作だった。

 

ということでこの映画を「T・ジョイ SEIBU 大泉」に見に行った。バイクで行ったのだがここのホームページには車の駐車場の説明ばかりで、バイク駐輪場は記述がないので困った(バイク駐車の説明があることは少ない)。以前に通りすがりに警備員にバイク置き場を聞いたところ、東映撮影所の西門の横(東映アニメーションミュージアムの向かい)の自転車置き場に止めてるようだといわれたが、よくわかっていないみたい。自転車が一杯でとてもバイクなんて無理。

色々ネット情報を探したところ、道路向かい側にある西友リビンオズ大泉にあるロッテリアの裏側にバイク置き場があり20台くらい駐車できるスペースがあることが分かった。ただし夜は9時で閉まってしまうそうで、その場合には先ほどの駐輪場か、ロッテリア前にも5台くらい止められる。車についてはTジョイとオズ合わせて800台といっているし、西武の資本も入っているようだから駐輪場も共有でいいと思う(たぶん)。今日はここに止めた。

映画館に映画を観に行ったのは、何年ぶりだろうか。以前は子供達とよく来たものだ。T・ジョイSEIBU大泉は東映東京撮影所に隣接するシネマコンプレックスなので設備がよく、音響、座席も非常に良かった。今時の若い人はテレビどころか映画までスマホで観るようだが、やはりつくづく映画は映画館で観てやらなくてはいけないと思った。T・ジョイ SEIBU 大泉がバイクで行けることがわかったので、これからは時々行こうと思った。