備忘録

しわ無し脳みそのために...

ツーリング 岡本桟橋(原岡桟橋) 千葉県南房総市

自分のツーリングは、奥多摩や埼玉南西部などが定番だが、ふと思いついて千葉の金谷の少し南側にある南房総市冨浦というところの岡本桟橋(原岡桟橋)に行ってみることにした。なぜかというと、以前NHKドキュメント72時間で取り上げられたの見たことがあったからだ。

この桟橋は以前地元の漁師達が使用していたそうだが、南側に新しい漁港ができ使用されなくなったということだ。自分もなにかの機会にこの風景を見たような覚えがあった。昭和の街灯のような照明がちょっと物悲しく、なんともいえない雰囲気がある。

そのためCM、ドラマ、映画の撮影に使われることが増え、インスタ映えもするので、次第に観光スポット化してきたそうだ。付近には自販機1台すらなく、当然土産物屋なんぞあるわけない。海岸からは東京湾に浮かぶ何隻かの船、その向こうに三浦半島とかすかに富士山が見える。

NHKの番組のなかで埼玉から来た女性ライダーが取り上げられていて自分も行ってみたかったし、ここしばらく土曜日出勤が続いてバイクに乗れなかったので、今回は少し遠くまでいってみようかなと思った。

調べてみると東京湾アクアラインを通るのが最も最短距離だったが、週末の朝の下り線は7時前から「海ほたる」までの渋滞が始まるそうだ。妻のパートのお迎えのため早く帰る必要があるので、朝は5時過ぎに家をでた。ここ一週間ほどで急に秋の気配が強くなったため朝は暗くて寒く(13度)、首にタオルマフラーを巻きグリップヒーターをONにし、スマホの音楽をBluetoothヘッドセットで聞きながら走った。

環八、産業道路と走り首都高神奈川6号川崎線の殿町(とのまち)ICから首都高下り線に乗り、アクアラインに向かう。この時点で7時前。朝日や夕日に向かって走るととてもまぶしく、ヘルメットのインナーバイザーを下してかろうじて走る。

ところが高速ですぐに大渋滞にはまる。付近は京浜工業地帯の石油コンビナートが並び、ここら辺で怪獣が大暴れするんだろうなとキョロキョロしながら寸止め運転を繰り返すが、こんな時オートマ車は本当に便利。羽田浮島ジャンクションで湾岸線の羽田側と横浜側から二重の合流が渋滞の原因だが、海底トンネルに入っても渋滞はなかなか解消せず路側帯を走るバイクも時々いたが、自分は車と一緒にノロノロと進む。海底トンネルの中はとても暖かくて助かった(山のトンネルだと寒いのが普通だが、海水が暖かいのだろうか?)。海ほたるを越えると、流れるようになった。

千葉に上陸し最初の木更津金田インターでアクアラインを降り、近所にあったコンビニに入り休憩。この辺りで8時前。お茶とバウムクーヘンを買って朝御飯とする。休みながら、Yahooカーナビで現地までのコースを設定する。高速コース(E14館山道、富津立山道路で冨浦まで)が第一候補だったが、久しぶりの休みなので国道16号と127号を使ってゆっくり行くことにした。カーナビは画面を消しヘッドセットで音声案内だけを使ういつもの方法で、スマホバッテリーの消耗を防ぐ。時々飛んでもない案内があるが、無料だと思えば概ね問題ない。ここから目的地まで一般道で60キロほどなので、ゆっくり走って1時間半~2時間ほど、到着は9時前後と予想し出発する。

16号は広く快適で、トラックなども走り出し(ご苦労様です)、少ないがツーリングらしきバイクもチラホラいた。木更津駅を過ぎ127号に入ると道は片道一車線になり、ペースメーカーの後ろにくっついてトロトロと走る。昔家族でマザー牧場に来た時に、通ったことを思い出した。上総湊(かずさみなと)港あたりから127号は海沿いを通り、東京湾がちらほらと見えるようになる。

金谷まで行くと東京湾フェリーの金谷港を過ぎる。その少し先の金谷漁港に「孤独のグルメ」に登場した定食屋「はまべ」がある。ゴローさんが食べたアジフライ定食が人気だそうで興味があるが11時開店でかつ、ネット情報では相当並ぶらしいのであきらめる。

そのまま127号(内房なぎさラインともいうらしい)を20キロ(30分)ほど進むと、目的地に9時前に到着する。事前にGoogleストリートビューで確認したが、国道からの脇道は車一台通るのがギリギリの幅。そこから100メートルほどで海岸に到着し、目の前に岡本桟橋(原岡桟橋)が見えた。ここは原岡海岸にある桟橋ということで、名前が岡本桟橋とごっちゃになっているので一応両方書いておく。

駐車場もあったが砂地のため、重いバイクはサイドスタンドがズブズブと潜って倒れてしまうので、舗装の部分を探して駐車する。このころには大分暖かくなり、マフラータオルをしまう。

JR「富浦駅」より徒歩約10分とアクセスは悪くないが、早い時間のため観光客は数人で、干潮時刻のためか釣り人もおらず、サーファーが20人ほど30センチほどの波にちゃぷちゃぷと乗っているだけで、寂しさに磨きがかかった雰囲気がよかった。これで観光客がわんさかいたり土産物屋があったしたら、ぶち壊しになる。この日は東北沖に台風がいたのだが、東京湾のさらに内房には風は多少あったが波はほとんどなかった。よく晴れていたが、雲は多少あり、三浦半島の向こう側に富士山がかすかに見えた。よってここは夕日に来るのが定番で、観光客が集まってくるそうだ。5/6~7、8/5~6には、夕日でダイヤモンド富士が見えるという情報もある。暗くなったら桟橋についている昭和の街灯が灯るのも、いい雰囲気のようだ。

駐車場脇トイレの横に掲示板があり、市の商工観光部から「撮影のお知らせ10/11~13と16」との告知があった(昨日までやっていたのか...)。トイレの壁には映画「アナログ」のポスターが張ってあり、その真ん中に岡本桟橋が映っている。これは10/6から公開された映画で、ビートたけしが70歳になって初めて書いた恋愛小説が原作とのことで、ちょっと見てみたくなった。

『アナログ』予告映像【10月6日(金)全国公開!】 - YouTube

この他にもネットを調べると、CMやドラマなどでロケ地として色々登場しているそうだ。なおこの桟橋のある海岸は原岡海岸というため、岡本桟橋よりも原岡桟橋で検索するとよりヒットすることがある。写真を撮って妻と子供にSMSで送り、20分ほどで引き上げることにした。

往復とも同じコースというのもつまらないので、帰りは金谷港からフェリーで対岸の神奈川県久里浜港に渡り、高速(横浜横須賀道路)で帰ることにする。どこかでアジフライ定食が食べられるといいのだが、時間が合うか。

9時過ぎに岡本桟橋を出て、127号で金谷港に9時半過ぎについた。次回の便は10:25発とのことで、乗船券(バイク750cc未満と運転者1名で2300円)を買って土産物屋を冷やかし「びわ味のわらび餅」を買っているうちに、フェリーがやってきてくるっとUターンし船尾から着岸した。横向きのスクリューがあるのだろう。週末朝の上り久里浜行きはバイク1台だけ、車10台程度とかなり寂しかったが、到着した下りのフェリーからは乗用車4~50台前後、観光バス1台、バイク20台くらいが出てきた。こちらが乗る番になって、バイクが一番先頭で乗船し、一番奥の船首まで進み脇の壁にロープで縛られた。意外だったのは徒歩の人が結構いたことで、15から20人くらいいただろうか。送迎のようなマイクロバスがいたりした。

船は1992年就航の「かなや丸」で総トン数3580トン、旅客定員680名、新潟原動機(現IHI原動機)製337リッター(ボア34cm×ストローク62cm!)、自重28.5トンの6気筒ディーゼルエンジンが、回転数310回転/毎分で2200馬力(!)を絞り出す。そのエンジンを2基稼働し2軸のスクリューを回し、13ノット(時速24キロ)でほとんど波がない東京湾を静かに横切っていく。

2階先頭の一番見晴らしのいい客席に陣取り、半分居眠りしながらコンテナ船や貨物船が横切るのをながめつつ、久里浜まで11.5キロを40分で11:05に到着した。久里浜には船首から着岸し、「バイクは最後」と書いてあったが、1台だけだからか最初に上陸しろとの指示で自分が先頭で陸に上がった。短い時間だったが、普段の生活ではなかなか体験できない船旅を楽しんだ。
                                                                                                                                                                                                                         上陸後すぐにバイクを止め、帰り道をYahooカーナビに設定する。しかしここから先は知っているので、横浜横須賀道路、横浜新道、第三京浜、環八で帰ることにする。しかし途中京浜川崎インターでおりて裏道を走ったら、渋滞していて参った。それでも1時頃には自宅に無事ついた。妻のお迎えには十分間に合う。燃費も良く、さすがはNC750X。

出来立て熱々のアジフライ定食を食べるのを忘れたことが残念だったが、他人に気を遣わずに孤独を楽しむツーリングだった。でも今日はヤエーに一度もあわなかった。

 

コストの一覧

首都高~アクアライン 殿町→木更津金田 18.6km ETC軽自動車 920円
東京湾フェリー 金谷→久里浜 11.5km バイク749ccまで 2,300円
横浜横須賀道路~横浜新道~第三京浜 佐原→京浜川崎 47.8km ETC軽自動車 1,260円
走行距離(フェリー除く) 約208km -
ガソリン使用量 約7.5 L(燃費 27.5km/L) 約1,210円