あこがれのリッターバイクにも、例外無く問題があるので記録しておく。リスク承知で安さを取ったので、自己責任だ。
今回はオークションの出品者から、予備車検(自動車予備検査)というのを付けてもらって購入した。知らなかったので事前に調べて分かったが、車検だけは事前に通る手続きをとったというもので、近隣の陸運事務所に行けば車体検査なしで、書類手続き、税金支払いや自賠責加入だけでナンバーがもらえる、というものだ。うちにはナンバーなしで運ばれてきたので、必要な書類を準備してマジェスティで立川の陸運局に向かい、不慣れな素人がうろうろしてプロの皆様にご迷惑をおかけしたが、30分ほどで多摩ナンバーと24ヶ月の車検証をもらってきた。ただしここでややこしいのは、24ヶ月点検が含まれていないということだった。その分はこちらでやるしかない。問題点は、以下の通り。
まずエキゾーストパイプとマフラーの間のジョイントからの排気漏れとのことで、特に冷間時にパスッパスッとにぎやかな音がする。純正ガスケットを買って交換しようとしたら、ネジがバカになりかけで怖くて回せない。仕方なく排気管用の液体ガスケットを塗りたくって代替えとする。
つぎにエンジン不調だが、回転が落ち着くまで30分以上かかる。油冷は暖まるのに時間がかかるとは聞いたが、これはおかしいのでプラグを見ると、全部新品だったが2番の調子が悪く失火しているかもしれない。
18年前のバイクなのでキャブのオーバーホールは覚悟していたか、ただ4気筒はとても素人では手に負えないので、近所のバイク屋さんに依頼する。ジェット、Oリング、フロートを交換し、無くなっていた部品を取り付け、4気筒を同期してもらって部品代コミで5万円だった。バイク屋さん曰く、よく分からない素人が触っていたようで、組み方を間違えていたり、いくつかの部品が無くなったままだったそうだ。高いような気もするが、プロのお陰でそれ以降ばっちり絶好調となったのでよしとしよう。
またバイク屋さんのアドバイスでは、プラグをはずす前に付近をエアでよく吹いたほうが良いとのことだった。PC用のエアダスターでもいいそうだ。今のバイクのプラグホールは、特にDOHCなどはシリンダーヘッドの一番奥底にありゴミや小石がたまっていることがある。それがプラグを外した時にホールからシリンダー内に落ちてしまうと、オーバーホールやエンジン故障に繋がる場合があるそうだ。うちのはプラグキャップにゴム製の蓋が付いているが、今後気を付けよう。
もうひとつのバイク屋さんからのアドバイスは、燃料コックの負圧利用のダイアフラムが傷んできているので交換したほうがいいとのことだった。今後の点検の時にでも交換してもらうことにする。
ただ排気ガスがどうもガソリン臭い。燃費も12~14km/Lとちょっと悪く、ガスが濃いのではないか。車やマジェスティはFIなので、キャブレターならこんなもんだと言われるかもしれない。2001年製なので、触媒がないということはないと思うが。
前ブレーキの効きが今いちだったので、自分でデイトナの赤パッドに交換した。ネット情報では以前の評判は悪かったが、今は改善されて評価がだいぶ良くなっている。ガツンと聞くわけではないが、握った分だけ効く感じ。効きのいいのは、その分ディスクの磨耗も大きいようなのでバランスが大事。
ついでにブレーキキャリバーの掃除もしようと、ピストン回しの工具も買った。完全分解まではしなかったが、ピストンを押したり回して裏側までこびりついた汚れを歯ブラシとクリーナーで掃除(もみだし)をしたが、かなり汚れていた。複雑な形状のキャリパーにクリーナーのスプレーを思いっきりシューっとやると、しぶきが跳ね返って顔全体にかかった。ゴーグルをしてやったほうがいい。
ピストンは一つのキャリバーに、対向3ペアで6個あった。ダブルディスクなので、全部で12。さすがリッターバイク。マジェスティは、ピストンは一つだけだった。ダブルディスクのため、パッドを4枚、面取りをして交換。純正に比べ安いので助かった。
キャリバーはTOKIKO(旧社名:東京機器工業)製。二輪のブレーキだとNISSIN(日信工業、本田系で世界シェアトップ、2021/1にケーヒン、ショウワと共に日立オートモティブシステムズに吸収予定)やBrembo(ブレンボ・イタリア 国内向けは住友電工によるライセンス生産)が多いようで、TOKIKOのブレーキは知らなかった。ガソリンスタンドの計量機で名前は見たことがあったが、ブレーキでも有名だったそうだ。今は日立オートモティブシステムズに買収されたそうで、日立自身も日立Astemoに社名が変わる。2018年からはスイスABB出身の外人経営者になり、さらにアグレッシブのようだ。サプライヤーが自動車メーカーを選別する時代になのかも。キャリパーにはHITACHIと名前が入るのだろうか。
さてTOKIKOのリアブレーキはほどほど効いたので、パッド交換はしなかった。ただ念のためにディスクをブレーキクリーナーで拭いたところ、それ以降ブレーキが鳴くようになってしまった。そのうち、パッド裏にパッドグリスを塗ってみよう。
あとはフロント左ウインカーが折れていて、ビニールテープを巻いて補修されていただけ。他には目立つ傷はないので、立ちごけをしたのだろう。モノタロウで純正品の価格を調べたら、片側で5000円近くするのでオークションで中古品を探してみる。
さらなる問題は、フロント左フォークからオイル漏れがある。目立たないが漏れている。ディスクに垂れる程ではないが、時々拭いてきれいにしておこう。40000万キロ走ったら、ダンパーオイルやオイルシールも交換が必要だろう。
またオークションで、サービスマニュアルとパーツリストを購入した。ネットに英語のサービスマニュアルやパーツリストのPDFは落ちているのだが、国内仕様と微妙に異なる部分があることがわかった。車名も海外ではBanditでなく、GSF1200Sとなっているものが多い。
中古純正部品だが、ebayなども見てみたが、かなり古いモデルのせいかあまり純正部品は出ていなかった。中古純正部品は、国内のオークションなどでコツコツ拾っていくしかないようだ。マジェスティのような台湾製モデルなら台湾や中華製のコピー部品も手に入りやすいが、古い上に大型になると玉も少ないため純正どころかコピー品も流通していないようだ。
マジェスティではレギュレータや燃料ポンプがすぐに壊れたが、その分部品が容易に入手できた。さて、Banditはいつまで持つか。創業100周年の鈴木さん、MotoGPで優勝、FIM世界耐久選手権(EWC)でも世界チャンピオンになったんだから、ぜひユーザーサポートも手厚くお願いします。