備忘録

しわ無し脳みそのために...

大型二輪免許挑戦日記 00 (入所)

 いい年をしながら、大型二輪免許取得に挑戦することにした記録。

 大学に合格した後、高校生最後の春休みにバイト代やお年玉の貯金を全部はたいて中型限定二輪免許をとり、学生になってもバイトで貯金し中古のCB350F、GS400、RZ350に乗った。独身の頃は、鮫洲の試験場に行き合格率2%程度と言われていた限定解除試験に何回か挑戦したが、すべて不合格。27歳ぐらいまで乗ったが、それ以降は仕事が忙しかったり、結婚したり、子供が生まれたりでまったくご無沙汰になった。

 しかし1年前に子供の原付を貸りて乗ったらとても気持ちがよく、学生の頃、GS400で北海道一周をした事を思い出した。しかし今は「原付は二車線以上の交差点はすべて二段階右折」なんてことは知らずに(昔は指定の大きな交差点だけだった)、早々に青切符をもらってゴールド免許が消えたため、今は中古の12年落ちのに段階右折が不要な原付二種の山葉台湾製マジェスティ125にぼちぼち乗っている。

 しかし偶然バイクのTV番組をを見て、ふと思い立って大型二輪免許の教習について調べたところ、教習所によっては60歳以降では入所を受け付けない場合があることを知った。え~!もう目の前だ...。鏡を見ればいつの間にか、見事なハゲ、デブのオヤジが映っている。ひたすら女房、子供のために毎日仕事仕事でストレスの塊なのに、自分の楽しみなんてTVを見るくらい。このまま人生終わってしまうのか。こういう状態を、英語では「midlife crisis(中年の危機)」というようだ。よく見ている車番組の名車再生クラシックディーラーズで時々Mike Brewerからこの言葉がでる。まさに自分と同じ体形。オヤジの悪あがきが始まった。

 

 教習所に行くのは20歳で四輪を取って以来だから、もう40年前近い。しかしまだ住宅ローンに教育ローンがのしかかっているため、先立つものはない。まずなるべく安価で、次によい指導をする教習所を探す。

 その結果、東小金井にある尾久自動車学校を見つけた。地元では安い価格帯で、かつ毎月の色々なキャンペーン、およびキャッシュレス還元を組み合わせると、付近にある地域最大手で派手な広告の武蔵境自動車教習所よりも2万円近く安くなった。次に警視庁の平成30年初心運転者事故率を見ると大型二輪を扱っている29の公認教習所中、二輪でトップ(0% 同率8校)、四輪47校でも同率3位(0.12% 同率2校)と安全な指導をしているようだ。なお武蔵境は二輪で19/29位(0.63%)、四輪で26/47位(0.38%)だった。

 毎日バスで武蔵境自動車教習所の横を通っているが、きれいな建物、近所の亜細亜大学の女子学生がゴロゴロいるは、教官はアロハシャツを着てるは、教習所内にネイルサロンまであるは...。今時はこれが普通なのかな???と思っていたが、尾久に行ってみるとチャラチャラしてない硬派な雰囲気だった(笑)。かといって昔のヤニ臭くて威張ったオヤジ教習員などはいなさそうだし、S字、クランク、波状路一本橋といった二輪専用コースが四輪とは別れていてガンガン練習できるのがよかった。練習をしに来たんだからいいじゃないかと意を決し、受付のおねいさんのところで申込手続きを行った。秋で学生が減ったせいか、キャンペーンで2輪は2,000円引き、また6時間分まで予約が取れるスピードコースが無料で選択でき、またWebから事前仮申し込みをして図書券を1,000円分もらった。さらにちょうど消費税が10%になった月だったのでカードで5%還元(当時武蔵境は未対応)やカードのポイントを使うなどして実質6万円強で大型二輪教習を申し込んだ。

 

 四輪の免許はあるので学科免除ですぐ実習かなと思ったら、まずオリエンテーション(教習の進め方の説明)が一時間と、運転適性検査という性格テストみたいなのを一時間、最初に必修でやらされた。性格テストの結果は一年間保存義務とのことだが、「あなたは運転に向いていない」という結果がでたら、じゃあどうすればいいのだろうか。

 さあそれではと思って窓口でおねいさんに聞いたら、教習にも順番がありコンピューター予約システムでみると、1時間目の実習が一週間後しか取れなかった。ただ画面上では空き時間があるのに、予約できないのはがっかりする。今どきはインターネットで予約状況の確認、予約、キャンセルができるので、昔みたいにキャンセル待ちでたむろす、というのはあんまりないようだ。

 

 その後おねいさんに案内してもらって、所内の二輪教習関係専用の施設の場所や、教習手続きのやり方、教習簿の取り扱い方、プロテクター等レンタル品の借り方、などを現場で説明してもらった。

 二輪の待合室には付近のバイク販売店のパンフレットが複数あったが、目立ったのはハーレーダビッドソンのパンフレットだった。この付近には、三鷹西東京、東久留米、杉並と正規ディーラーが四つもあるためで、大型免許の教習を受けに来たオヤジはいいカモなのだろう。そういえば、以前偵察に来た時に入口にディーラーのプロモーションらしき光り輝くハーレーが飾ってあった。一度は乗っては見たいが、オヤジでも金のない自分は無理。

 ただ今は国産車も電子機器、安全対策機器、公害対策機器などが付加されて新車価格はかなり高くなっており、ハーレーでも安いモデルなら次第に国産との価格差は少なくなっている。さらに中古価格も、値下がり率が国産よりも少ないようだ。スポーツスターなどのように、シート高が低く両足がべったりつくモデルには腹が突き出たオヤジにとっては魅力的。またオヤジにはレーサーレプリカのようなスーパースポーツモデルは不要で、ドコドコゆっくり走れるのもいい。

 しかしクラッチが重いという話もある。自分が子供の頃ならともかく、昨今はハーレーはざらにあるバイクになっており、希少価値はかなり減っていることも確かだ。一コケすると修理に十万プラスかかるとか、車検費用は車並みとかの話も聞く。徒党を組んでのグループツーリングも鼻につく。このようにプラスとマイナスを併せ持ったハーレーだが、もう10年若かったら60回払いのローンを組んでチャレンジしたかもしれないが、なんといってもまだ住宅ローンが残っているし、やめておこう。(結局金がないだけ)

 初日は出鼻をくじかれ第一段階の一時間目を予約しただけで終わったしまったが、悔しいがハーレーのパンフレットをいくつかもらってすごすご帰ってきた。